清原光学から短期間だけ発売されたソフトレンズ。
アサヒカメラ連載「写真人の昭和」によればこのVK70Rの企画段階で桜井栄一氏が“ベス単のレンズデータを調べ「鏡枠を書いた」とある、またVKとは清原のヴェス単判の頭文字と解説されている。
ベス単を基にしているので70mmとちょっと長めの焦点距離である。
桜井栄一氏とはオリンパスの元技術者で昭和41年にはオリンパスペンの開発の功により日本写真協会功労賞、同51年には黄綬褒章、同57年に勲四等瑞宝章を受けている方らしい。
ベス単とはコダック社のベスト判カメラの単玉レンズを指しこれを収差を小さくするためのフードを外しわざと収差の大きな、つまりソフトレンズとして使ったことにゆらいする、らしい。
今はAマウントを着けているがマウントはT(1mmピッチの)マウントで交換ができる。
ところで、桜井氏によれば「その後に出たVK50Rはもっといい。」とのこと※。
使い勝手もVK50Rのほうがよい。
35mmカメラ用に50mmの焦点距離で「鏡枠を書き直した」レンズである。
Minoltaの優秀なファインダーをもってしてもフォーカスは判りにくいのが難点である。
また、写真でも判るとおり絞りリングがレンズ前面にあり、決して使い勝手は良くない。
※アサヒカメラ1990年5月号連載[写真人]の昭和5桜井栄一より
発売時期 1986年
フィルター径 49㎜
レンズ構成 1群2枚
画角 34.3゜
最近接距離 0.6m
絞り羽根枚数 12枚
最小絞り 11
外形寸法 Φ49mm×60mm
質量 約136g
定価 22,200円