今の時代から考えれば色々と欠点も多いのだろうけどとても愛すべき一台
シンプルに徹した意匠が美しい
軍艦部天面は巻き戻しクランク、巻上げレバー、シャッター速度ダイアルなどが面位置に揃えられ実に美しい。
余計なセレン式露出計など内蔵せずに丸と長方形の織りなすコントラスト。
EOSデジタルまで含めてCANONが作り上げたカメラで実は一番端正なカメラなのではないかと思っている。
不思議と手に馴染む。
その時代の持てうる技術、コストの制約の中で可能な限りの答えを詰め込んでいるように思う。
もう、それだけで所有する必然性に満ち溢れているカメラなんだ、キット。
さて、このカメラで一番重要なファインダーは等倍であるが35mmのフレームは一度に捉えられない、常に35mm,50mm,100mmの視野枠が表示されているなど決して最上級ではないがパララックス補正はされているようだ。
シャッターはステンレススチール製(!)の幕を使用しているためかレンジファインダー機としては少しだけ音が大きいかもしれない。
でも、一眼レフ機を使うことを考えればなんの障害にもならない。
もちろん、ブレも発生しにくい(…ハズ)
特別に優れているスペックを誇るわけではないが使っていて楽しい、満足感のある不思議なカメラだ。
シャッター 2軸式の金属幕横走行フォーカルプレーン
1/1000から1秒
B
X(1軸不回転ダイアル式)
セルフタイマー内蔵
外形寸法 144×76×71mm
質量 790g(50mm F2.8付き)
発売年月 1959年(昭和34年)3月
発売時価格 52,700円(50mm F1.4付き)
37,700円(50mm F2.8付き)